アメリカ発相続・節税・投資・不動産相談室

2008年11月19日

住宅価格の下落を利用して贈与する

カリフォルニアの住宅の中間販売価格が$30万ドルまで下がった。
つい去年まで$50万ドルだったことを考えると、40%も下がった
ことになる。私が20年前に、自分の家として購入した一軒家の価格
が$307000だったから、その頃の価格にまで近づいたということか。
(ただ、場所によって価格の差が大きいので、私が家を購入した
辺りでは小さくて古い家でも未だに$50万ドルはするが、、、)

さて、住宅価格が低い今のうちに、相続税対策として家を贈与する
ということを、さかんに宣伝している弁護士やファイナンシャル
プランナーがいる。ただ贈与するのではなく、QPRTというトラスト
を利用することで、贈与の金額を圧縮できて、さらに、贈与したあと
も一定期間内は、自分たちに居住の権利があるので、子供に贈与
してしまったあとで子供達と仲が悪くなり、家を追い出される、と
いう心配もないというわけである。(QPRT=Qualified Personal
Residence Trust)

この方法は検討してみる価値は確かにある。しかし、ほとんどの
一般家庭にとっては、資産価値は遺産税の控除枠内なので、この
ような贈与をする意味はあまりない。とくに来年から2010年
にかけては遺産税の控除枠が上がるし、その後も、オバマ政権の
方針では、控除枠は$3.5ミリオンに固定される見込みなので、
ほとんどの家庭は遺産税がかかる心配はしなくてもいいのでは
ないだろうか。

それと、QPRTには欠点がいくつかある。まず、家の権利をQPRT
に贈与したあと、10年とか20年とかの期限を区切り、その間は
自分たちが住み続ける権利があるが、その期間が切れると相続人
に名義が移ってしまうので、テナントとして賃料を支払う必要がある。
また相続人には、テナントに家から出て行けと言う権利もあるので、
そのまま住み続けることができるという保証はない。
そして、万が一この期限が切れる前に死亡した場合には、贈与は
取り消しとなってしまい、その家は死亡した人の遺産に含まれる
ことになってしまうのである。

富裕層の人にとって、いかに生前贈与で遺産を減らすかは
エステートプランニングの重要課題のひとつである。しかし、
QPRTなどを使わなくても、IRSも認めている遺産税回避の方法と
して、「ウルトラトラスト」がある。このトラストは税法上、
イレボーカブルでもありレボーカブルでもあるという特徴を
備えているため、QPRTの利点を享受できるが、QPRTの欠点は
ない。ウルトラトラストが、なぜあまり普及していないのか
私は常々、疑問に思っている。

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2008年11月18日

商業不動産業界の不況

少し前まで、住宅市場が不振でも商業不動産市場は活況だった
が、それも今は昔、アメリカの経済の悪化が全ての分野に及ん
でいる今、商業不動産業界も不況にあえいでいる。

今日の新聞に、1031エクスチェンジを利用して大きな商業
ビルやショッピングセンターなどへの個人投資を集め、この
分野では大手だった、DBSIという会社が倒産したという記事が
載っていた。

DBSIは、個人では購入が難しい大きな不動産の権利を、10人
から35人ほどの投資家に分配して売却し、それぞれの投資家
の出資比率に応じて、毎月の収入を分配していた。ジネラル
パートナーシップなどとは異なり、投資家はそれぞれ、LLC
を設立して、そのLLC名義で、出資比率に応じた割合で、
不動産の所有権を所有しているので、自分の所有権を売却
したい時には、自由に売却して利益を得ることもできる。

また、DBSIは、年利6%前後からスタートして、最高12%
くらいまでの配当を、10年から15年の契約で、空室率に
かかわらず保証していたので、個人の投資家が安心して投資
しており、中には老後の蓄えを全部これに投資していたという
高齢者も結構いる。実は、私の知人にも、DBSIに$50万ドル
ほどを投資している人がいる。

DBSIにとっては、この「保証」が重荷となり、資金繰りに
行きづまることになってしまったのだろう。しかし、「不動産
は永久に値上がりが続く」と信じて、危険なローンを借りて
しまった人達と同様、DBSIは、不動産のプロであるにもかかわ
らず、「プランB」を用意してなかったのだろうか。

そして個人の投資家についていえば、投資の原則である
「分散」を守らないと、失敗することになる。「保証」に
つられて、持っている資金を全部同じものに投資することは、
絶対にしてはいけない。

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2008年11月16日

差し押さえを防ぐための住宅ローン条件緩和政策

住宅のフォークロージャー(差し押さえ)件数は相変わらず増加
の一歩で、政府や銀行が対策に乗り出していますが、問題に直面
しているホームオーナーは、いったい何をしていいのか、どこに
連絡すればいいのかがわからず、結局差し押さえられてしまった
り、または、このような状況を利用した詐欺も増加しており、
詐欺にひかかってしまう人も増えています。

下記のウェブサイトに、現在政府や主要銀行が出している救済策
の具体的な内容、連絡方法、そして、詐欺の手口などを書きました
ので、参考にしてください。

差し押さえ対策の内容のページ
フォークロージャー詐欺についてのページ

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2008年11月14日

海外旅行保険のサイトをたちあげました

日本人の方で、アメリカへ赴任してきたばかりで現地の健康保険に
加入できない方とか、アメリカ在住の方が高齢のご両親を日本から
呼び寄せて一緒に暮らすことにした場合に、加入できる医療保険が
ない、などのお問い合わせが多いので、旅行保険のサイトを
立ち上げました。

海外旅行保険123ドットコムです。

ご利用ください。

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2008年11月13日

エステートプランナーという仕事

昨日、今日で、2組の日本人ご夫婦のリビングトラストを作成しました。
どちらのご夫婦も70代で、子供さんたちはもう50代で立派に独立
されているのですが、偶然なことに、どちらのご夫婦にも障害のある
お孫さんがいるのでした。

どちらのご夫婦も、財産が多いとは決して言えない世帯で、アメリカ
に移住してから何十年も自営業を営んで働き続けて来た、典型的な
勤労世帯です。主な財産はご自宅だけで、老後のための蓄えも十分
とは言えません。それでも、障害のあるお孫さんの将来が心配で、
トラストの中に、お孫さんへのお小遣いの支払いなどが続くように
との項目を入れられたのでした。

子供や孫に障害があるということの心労や苦労は、私には想像すること
しかできません。トラストのお世話をする仕事をしていると、純資産が
10億ドル以上という富裕層の方や大成功されているビジネスオーナー
にもお会いしますが、年金収入だけで細々と生活されている高齢者家庭
も多く、また家族に障害者がいるという方も少なくありませんし、
離婚による財産わけが不公平で、経済的に困窮しているというような
方もいます。

トラストや相続プランを作る仕事柄、家族関係や資産内容まで詳細に
お聞きすることになるため、その日お会いしたお客様との話の内容に
よって、気持ちがつい落ち込んでしまったり、アメリカ社会に憤りを
感じたり、なぜこの世には不公平なことが多いのだろうかなどと、
思ってしまいます。まだまだ、修行が足らないようです。

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2008年11月12日

オバマ新政権の税制改革

オバマ新政権が税法をどのように変更するのか、特に富裕層の人達にとって
は心配の種です。今のところわかっている限りでは、主な税金について、
下記のような内容になるといわれています。

1.連邦遺産税の非課税枠は、2009年の$350万ドルで固定する。
  つまり、2011年から$100万ドルに下がる予定だったが、
  それはなくなり、ずっと$350万になる。これは富裕層にとっては
  良いニュースです。
3.連邦遺産税の最高税率を45%で固定する。これも良いニュースです。
4.年収が夫婦で$25万ドル、独身で$20万ドル以上の人は、
  キャピタルゲイン(譲渡益)と、株などの配当に対する課税率が、
  現在の15%から、20%に上がる
5.夫婦で年収が$25万、独身で年収$20万以上の人は、一番高い
  所得税率が35%から39.6%に、その次の税率が、33%
  から36%にあがる
6.年収$25万未満の夫婦には、$1000の税金カットをし、その他もろ
  もろの税金の特典が与えられる

夫婦で$25万、独身$20万が、オバマ次期政権のあらゆる税金優遇の
基準金額ですね。

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2008年11月11日

オバマ新政権の医療保険改革

アメリカの医療保険制度については、以前から指摘されている通り
問題点が山積みである。現在何らかの医療保険に加入している人口の
うち、約1億6千万人は雇用者が提供する保険の加入者、そして高齢者
と障害者用の公的医療保険である「メディケア」の加入者が3800万人、
低所得者用の「メディケイド」加入者が3500万人、個人で加入している
人が1400万人、政府機関などに勤めている人が300万人、そして
保険に全く加入していない人は約4500万人で、アメリカの人口の約
15%が無保険者となっている。

企業の保険負担は増加の一途で、中小企業の中には負担に耐えかねて
保険の提供を止める会社も多く、カリフォルニア州では、社員50人
以下の企業で働く人口の55%が、保険に入っていない。

オバマ次期大統領が提案している保険制度は、まず全国統一の
ナショナル保険プランを作り、企業には社員に保険を提供するか、
社員がナショナル保険プランへ加入する保険料を補助するかを選択
させるというもので、保険を提供する会社には保険料の50%までの
税の控除を認めるという概要である。個人での加入者は、既往症に
関係なく加入できるナショナルプランを選んでもよいし、民間の
保険会社のプランから好きな保険を選んでもよい、そして、子供は
全員、健康保険加入が義務付けられる。

政府主導の医療保険制度を設けることには反対意見も多い。医療も
保険も市場原理に任せるべきだという意見は、依然として根強い。
しかし、医療を市場原理に任せた結果、アメリカの医療の現状は悲惨な
状態になっている。オバマ次期政権が、医療の質の向上、ひいては、
国民生活の質の向上を目指した、バランスのとれた医療改革を
推し進めてくれることを願う。

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2008年11月10日

アメリカの教育費の高騰と、教育の質の低下

オバマ時期大統領は、教育者の質を高める一方、アメリカの高す
ぎる大学学費をなんとかし、学費を支払えない子供にも高等教育
を受ける機会が与えられるようにすると言っている。

学費の急激な高騰は、大学生の子供2人を持つ私にとっては全く
人事ではない。公立大学に1年間通うための費用は、学費、住居費、
食費、諸経費を含めて、今年の平均が$14,000ドル強である。
州外から入学する場合の学費はもっと高い。過去30年間の
公立大学学費の値上がりは、年6.5%となっており、このペース
で値上りが続くと、現在小学校5年生の子供が大学に進学する
年には、4年間で$105,000を支払わなければならない計算になる。

一方で、教育の質はお世辞にも高いとは言えず、高校を卒業して
も読み書き計算がまともにできず、世界地図を見てインド、ブラジル
がどこなのか言えない若者というのは、実際に存在する。話し言葉
でさえ、過去形と過去完了形を使い分けることができない大人が存在
し、日本の学校で英語を習った私が知っている文法を、生まれた時
から英語を話しているアメリカ人が知らないということが実際にある。

ブッシュ大統領は、「ニュークリア(核)」を「ニューキュラー」
と間違って発音し続け、マスコミやコメディアンや、その他もろもろ
の人々に馬鹿にされ続けながらも、未だに間違ったままであるが、
共和党の副大統領候補だった、サラペイリン氏も、討論会の時に
同じく「ニューキュラー」と発音して、後にメディアの失笑を
かっていた。現大統領、時期副大統領候補でさえこの状態では、
なさけなくなるではないか。ちなみに、オバマ時期大統領の発音は正しい。

話がそれてしまったが、アメリカが今後も世界をリードする国であり
続けるためには、教育の資質の向上と、大学の学費高騰をなんとか
することは、非常に重要な課題であり、庶民の心情を代弁してくれる
オバマ時期大統領が、これを重要で緊急の課題のひとつに位置づけて
いることは、とても心強い。オバマ氏なら、口先だけでなく、本当
に何かしてくれるのではないかと、希望を持って見守っていきたい。

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2008年11月7日

小室哲哉はアセットプロテクションをしていたのだろうか?

小室哲哉が5億円を詐欺した容疑で逮捕されたというが、
何年も前に、日本人の不動産屋さんが、小室哲哉のカリ
フォルニアでの住宅購入を仲介して何十万ドルという大き
な金額の手数料を稼ぎ、当分働かなくても遊んで暮らせる、
と言っていたという話を聞いた覚えがある。
当時の住宅価格のレベルで、びっくりするような金額の
豪邸だったと記憶している。

さて、詐欺罪が確定し、被害者への賠償をするとなると、
当然資産を差し押さえられると思うが、彼がまだアメリカ
に不動産を所有しているのかどうか知らないけれども、
もし個人名や自分の会社名で所有していれば、当然、
資産差し押さえの対象になるだろう。ところが、アメリカ
には、資産家がそのような場合にそなえて、「アセット
プロテクション」をしておくという方法があり、もしそれを
していれば、たとえ裁判所や税務署であっても、資産に
手をつけることができない。ただし、州によっては、
一定の期間内に名義移行をしていると、いわゆる「資産
隠し」と見られて無効となる場合もある。

犯罪を犯す人の資産を守る方法があるのはおかしいと言えば
おかしいけれども、アセットプロテクションとは、簡単に言えば
資産の名義を全く別の法人やトラストにしてしまうので、
罪に問われた人の資産とはみなすことができない。

また、妻を殺した罪に問われて、刑事では無罪となった
OJシンプソンのように、民事で有罪となって被害者家族
に対する損害賠償の判決を受けたのに、その賠償責任を
果たさず、本人は毎月$2万ドルもの年金を受け取って優雅
な暮らしをしていたという例もあるが、あの場合は、OJ
の年金がフロリダ州の法律によって守られていたために
誰も手をつけることができないのである。
法律は、必ずしも公平ではない。

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2008年11月6日

愛する人のためにも相続プランを作ってください

家を売り、財産を全部持って日本へ帰り、余生は日本で過ごしたい
という未亡人からのご相談を受けました。

この方の心配は、5年前に亡くなったご主人の前妻とその子供たちが、
あまり裕福でない生活をしており、時々、ご主人が残したもので
自分たちが受け取る権利のあるものがないかなどと言ってたずねて
来るので、家を売ったあと、そのお金をめあてに訴えられたりしない
かどうか、ということでした。

弁護士とも相談してみましたが、この国では、誰でもたいした理由
なしに誰かを訴えることができ、そういった訴訟を引き受ける
弁護士も多いので、訴えを起こされるかどうかについては、
防ぎようがない、しかし、訴訟で負ける可能性があるかどうかに
ついては、可能性はかなり低い、ということでした。

もし亡くなったご主人が前の結婚での子供さんたちに遺産を遺し
たければ、そのように相続プランを作っておくこともできました。
しかしそのような意思表示は何もなく、ご主人が死亡した時点で、
遺産は全て遺された妻のものとなっています。となると、ご主人
の子供さん達が、今から訴訟を起こしても、自分たちになんらかの
遺産相続の権利があることを証明するのは無理だろうということです。

再三書いていますが、相続プランを作っておくことは大切です。
とくに、離婚、再婚、前の結婚での子供、などの事情がある方は、
自分の死後遺された妻や夫、または自分の子供たちが争いに巻き込
まれて、大切な人生の時間を無駄にしないように、少しの投資をして
リビングトラストを作っておきましょう。

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