住宅価格の下落を利用して贈与する
つい去年まで$50万ドルだったことを考えると、40%も下がった
ことになる。私が20年前に、自分の家として購入した一軒家の価格
が$307000だったから、その頃の価格にまで近づいたということか。
(ただ、場所によって価格の差が大きいので、私が家を購入した
辺りでは小さくて古い家でも未だに$50万ドルはするが、、、)
さて、住宅価格が低い今のうちに、相続税対策として家を贈与する
ということを、さかんに宣伝している弁護士やファイナンシャル
プランナーがいる。ただ贈与するのではなく、QPRTというトラスト
を利用することで、贈与の金額を圧縮できて、さらに、贈与したあと
も一定期間内は、自分たちに居住の権利があるので、子供に贈与
してしまったあとで子供達と仲が悪くなり、家を追い出される、と
いう心配もないというわけである。(QPRT=Qualified Personal
Residence Trust)
この方法は検討してみる価値は確かにある。しかし、ほとんどの
一般家庭にとっては、資産価値は遺産税の控除枠内なので、この
ような贈与をする意味はあまりない。とくに来年から2010年
にかけては遺産税の控除枠が上がるし、その後も、オバマ政権の
方針では、控除枠は$3.5ミリオンに固定される見込みなので、
ほとんどの家庭は遺産税がかかる心配はしなくてもいいのでは
ないだろうか。
それと、QPRTには欠点がいくつかある。まず、家の権利をQPRT
に贈与したあと、10年とか20年とかの期限を区切り、その間は
自分たちが住み続ける権利があるが、その期間が切れると相続人
に名義が移ってしまうので、テナントとして賃料を支払う必要がある。
また相続人には、テナントに家から出て行けと言う権利もあるので、
そのまま住み続けることができるという保証はない。
そして、万が一この期限が切れる前に死亡した場合には、贈与は
取り消しとなってしまい、その家は死亡した人の遺産に含まれる
ことになってしまうのである。
富裕層の人にとって、いかに生前贈与で遺産を減らすかは
エステートプランニングの重要課題のひとつである。しかし、
QPRTなどを使わなくても、IRSも認めている遺産税回避の方法と
して、「ウルトラトラスト」がある。このトラストは税法上、
イレボーカブルでもありレボーカブルでもあるという特徴を
備えているため、QPRTの利点を享受できるが、QPRTの欠点は
ない。ウルトラトラストが、なぜあまり普及していないのか
私は常々、疑問に思っている。
ラベル: 家の贈与

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